両面照明「バルベット」侮れない昭和の設備

これまで、気が付かず活用できていなかった設備が「バルベット」です。

別名、壁両面型照明。

古い家屋の玄関扉の上部にあり、思い返すと昔の家屋で結構あった気がします。

普通に見ると、ただの玄関灯なのですが、壁を貫通した枠の中に電球があり、点灯すると外側(玄関灯)と内側(内玄関照明)の両方を照らします。

国民ソケット」「自転車」など、実用的で無駄がなく高効率のものが好きなのですがこれも、その類のものです。

玄関灯だけだと光源以外あまり明るくありません。内玄関照明だけだと玄関内が明るいだけで外側を照らせません。

壁両面型照明だと、両方を兼ねる事ができて、夜、外側から見ると玄関灯+玄関内の明るさが合わさって、外照明と異なった印象になります。玄関灯+内玄関照明両方を点けた感じです(比較すると、光量は控えめになります)。

これが、昭和時代に普及した背景(想像)ですが、

・暗くなると点灯する自動照明がない(少ない)時代なので、夜、帰宅する人がいる場合、足元が見えず本当に危ないので玄関周辺を明るくしておく必要があった。

白熱電球(60W)→蛍光灯電球(13W)→LED電球(6W)と進歩しているのですが、今よりずっと切迫した節電意識があると壁両面型照明に行き着く。

廃れた背景は、

・照明事情の改善、自動照明の普及で、玄関灯を点灯させ帰宅後消灯する必要性が薄れ、重要度が落ちた。

・夜、特に小さな家だと、光漏れで睡眠に支障があるので、玄関灯と玄関内部を分離させるのが一般化した。(帰宅者より居住者を優先)。壁両面型照明の時代のほうが帰宅者の満足度は高かったと思う

白熱電球時代は、帰宅するまで点けて帰宅後消灯という使い方。その後、長寿命・省電力の蛍光灯の普及により玄関灯が常夜灯を兼ねる使い方に切り替わった。

こうした背景が考えられます。今だとなかなか見かけないものだと思います。

現在、LED電球が普及し、消費電力が少なく、しかも、長寿命という時代になりました。

私の家の事情だと、夜、庭に常夜灯がなく、玄関が真っ暗なので、手動で玄関灯を常夜灯として使っていたと思います(玄関内も少し明るくなる)1990年代?。

それから、屋外に夜暗くなると点灯する常夜灯や強力なセンサーライト(最近はLED光源しかなくしかも白色のみ)、玄関灯も自動化していきます。

実際、夜の庭を明るくすると安心感が増すのでやったほうが良いものと思っています。費用的なハードルは、かなり小さくなっています。

そんな状況の中で、たまたま、離れの古い小さな家の玄関灯が死角(常夜灯があると良い場所)にあったので、活用を検討する事になります。

この家は、電気が使えて玄関灯としては、使える状態です。

長年放置してあったので、照明のカバーが黄ばんで光を透過しなくなっているので交換が必要です。

この照明を知る必要があり調べると、おもしろい記事が見つかります。

玄関灯「バルベット」の謎

よくここまで玄関灯「バルベット」を調べて正確詳細にかけるものだなと。研究者レベル。

昭和レトロな両壁両面型照明用カバーを交換する!

光量が不足するのが廃れた原因と書かれています。玄関とトイレ。

築45年で新品と同じものですが、わずかな違いとあります。私の場合、後述しますが、既存のものは外枠に会社表記がなく、新品は会社表記があり全体的に2-3ミリ小さくなって互換性(枠の使い回しはできない)はありませんでした。おそらく、1970-80年の間に、製品規格の変更をしています(木枠なので、それで特に困ることはありません)。

同じように、深夜注文して朝7時に見積もりをいただきました。興味が湧きます。

 

栄興電器工業所(製造販売元)で新品カバーが手に入るとのことで、800円+送料680円で購入しました。深夜注文→朝見積もり→昼振込・連絡→当日発送という流れで、翌日届きました。非常に助かります。

これで、カバーを新品に交換して、LEDなり蛍光灯の電球にすれば壁両面型照明として復活することができます。

ただ、これだと手動で操作する必要があり、終了とはなりません。

自動点灯機能を追加する必要があります

当初、他と同様にEEセンサー(暗くなると点灯、明るくなると消灯する回路)を追加しようと思いましたが、

自分の感覚では、壁両面型照明を常夜灯として使うのは不自然(外から見て一晩中、玄関前と内玄関両方を明るくするケースは稀)。

EEセンサーは回路を共有できるので、別のEEセンサー付き常夜灯から配線を持ってこれれば省けるが、離れでできない(個人的な事情)。

こうした理由で、EEセンサーを追加して常夜灯とするのは止めました。

諦めるのも含めてかなり悩んだ末、思いついたのは、

プログラムタイマーコンセント(以下、PTC)の利用でした。

これだと、夕方5時から夜9時までという時間指定ができ、明るくしておきたい時間帯だけ点灯させることができます。商品自体、ホームセンターで1000円程度で容易に入手できるもので、これでEEセンサーと同様に、自動化ができます。

 

ここから、交換・配線作業になります。

まず、カバーの交換ですが、取り外しは、外側内側それぞれの4本のネジを外すだけなので簡単です。取り付けについては、従来(会社名表記なし)新品(会社名表記あり)でサイズが少し異なる状況だったので、ネジ穴がそれぞれ1ミリ程度ズレて合っていません、木枠の余剰はほぼ無く大きくずらせないので、これをどうすべきなのか悩みました。、結局、既存の木枠のネジ穴に横滑りして入ってしまいますが、ネジが傾いた感じでも締め付けができるので問題はありませんでした。

新品では、白いカバーの真ん中左右(外枠に2つのくぼみで見つけやすくなっている箇所)を挟んで固定部を外して、カバーを外枠から取り外すことができるのですが、蛍光灯やLEDは長寿命になっており、短寿命な白熱電球を頻繁に取り外すような使用はまずないと思います。また、白熱電球の消費電力に伴った高発熱による、カバーの硬質化(割れやすい)や透過率の低下は起きくくなっていると思われます。紫外線による劣化はありますが、ホコリ取り程度で以前より手間がかからず使えると思います。

次が配線なのですが、既存の配線は、本職の電気工事士がしっかり作ったもので無駄がありません。これに、PTCを追加することに非常に悩みました。当初は、下の梁に通常のコンセントを追加してそこに差したPTCの配線を持ってきてという方法を考えましたが、木枠の加工や迂回するため余分に増える配線、PTCが目立ちすぎるなど、これという方法が見つかりませんでした。結局、最も手間のかからない方法を採用しました。PTCを浮かせて追加して、きっちりと固定したものを作らない(必要なら容易に元に戻せる)という決定になりました。場合によっては、こうした形もありだと思えるようになりました。

完成した壁両面型照明ですが、常夜灯で統一している温かみのある黄色っぽい電球色と相性が良いです。カバー無しだと、明るさは際立ちますが明るすぎる感じ(60W相当)があったので、カバーで落ち着きます(写真は実際より明るく写っています)。また、頭上にあるので地面置きのポールライトより、遮蔽物が無いので照射範囲が広く明るく感じます。

好みの問題ですが、丸形蛍光灯からLED電球にすると、温かみがなくて深みがないという印象で、再度、丸形蛍光灯に戻したのですが、こんどは明るさが物足りないというかんじになり、また、LED電球(60w)に戻すという事がありました。

立ち上がりに、蛍光灯は暗く、LEDは全開という違いがありますが、それは別にして、蛍光灯は、3年の寿命の間、ほとんど同じ明るさが保たれますが、LEDは徐々に明るさが落ちていき、10年で半分か7割ほどに落ちるので、そこで寿命という扱いのようです(不正確ではないないはず)。

長年使って、LED電球なんか暗いかなという印象があれば新品に交換というサイクルで良いみたいです。(省電力のLEDであっても)発熱の多い高ワットでしかも密閉照明だと熱が溜まり、回路の熱劣化で動作不良で壊れる場合もありますが、壊れる以外に、明るさが劣化して暗くなったので交換する必要もあるというのは知っておくべき知識です。特に、初期のLED電球は全方向に照射のできないタイプ(非公配光形状)がほとんどなので、交換すると明るさが大きく違うということが起きやすいと思います。

あと、別の照明になりますが、「防犯灯」。直管蛍光灯20wから32w相当のLEDに替えたのですが、明るさよりも、光が広範囲に飛んでいながら、本体元が明るすぎるということがなく、地味に明るいという常夜で点けっぱなしになる照明として非常に完成度の高いものになっていました。常夜灯とLEDは相性が非常に良い(電気代や交換の面でもメリットが有るのに加えて)みたいです。

とりあえず、玄関バルベットを(一応の)常夜灯として有効活用する方法は悪くないという記事です。

使われていないバルベットがある場所に、新規の常夜灯を設置するのは設備の有効活用ができておらずもったいなく感じます。ただ、時間式の玄関灯になってしまうので、時間外に内玄関に明かりが欲しいという時に、使えなくなります。状況としては稀ですが、何かしらすぐ使える代替となる照明機器(不要になったデスクライト等)を玄関内に用意しておくべきです。

 

(手押し浅井戸の修繕の経験)

昭和の設備で思い出したのですが、以前、手押し浅井戸ポンプを再使用するため部品を購入して設置したことがあります。

電動ポンプがあるなか、防災用という意識で緊急時使えるようにという思いでしたが、水道給水関係のDIYは難度が高い(蛇口交換だけどうにかできる感じ、失敗が漏水に直結するので失敗しながら学ぶDIYと相性が悪い)です。鉄製の手押しポンプは錆びるという問題より深刻だったのは、木製の台板が井戸内の湿度でシロアリが発生しやすいこと(安物だと数年で使用不能になります、防腐剤は井戸に不向きです。鉄筋とコンクリートで台板自作で対処できました。)、ポンプの中核部の筒が鉄だと錆びてザラつき、それよりもピストンの隙間を埋める材料が、本皮・ゴム(プラ玉)とあるのですがこれらは数年で壊れたりボロボロになり使えなくなります。日常的に使って水が抜けない状態を維持する必要もあり、緊急時にだけ使いたいという使用は現実的ではないです。

最近は、都心の新築マンションに手押しポンプが防災用に設置されていますが、あれは、筒・ピストン共にステンレスで壊れにくい密閉式になっているはずです。

日常使用なく、昔からある鉄製の手押しポンプ(開放式)を防災用にするのは止めたほうがいいです。

(手押し井戸ポンプの動作は、かなりの上半身運動になるので、自転車(下半身運動)と組み合わさって、昔は生活動作で運動ができてしまい、運動不足というものが起きなかったというのが推測できます。今と比較して、皆、(運動できていた分)活き活きしてたんじゃないかと思います。)