京壁(聚楽壁)のスイッチ穴補修DIY

10年ほど前に使わなくなった和室の床暖房のスイッチ跡が気になっていました。

写真を撮り忘れて通常の状態でないのですが、大きいほうはアルミのカバーの上に、大型のコンセントカバーを付けて塞いだもの。小さい方は小型のコンセントカバーのみをつけた状態でした。

電気工事士の方が、制限のあるなか頑張った結果がこの状態です。

場所が玄関から入って、和室リビングの入口で最初に視界に入る場所だったのでもう少しどうにかならないかと考えてはいましたが良い方法が思いつかず10年以上経ってしまいました。

職人に頼むと、穴を埋めるだけだと違いが目立ってしまうので、全面上塗りするのを提案されると思います。職人としてはいい加減な仕上がりではやりたくないと思うので難しい面があると思います。もし、自分で塗って穴埋めをした場合、完成度が低く下地埋め、塗りが上手くできるのかわかりませんし、出来上がった色の違いで後悔する気がします。いい加減な出来では許されないDIYは、失敗すると取り返しがつかなくなるのでやらない方が良いというのは経験則です。

今回、不退転の決意で取り掛かってみました。

これが何層かで塞がっていたカバーを外した状態です。

この時点で、塗りも候補にあったのですが、下地をはめ込んで、塗って綺麗にする具体的な方法が思いつかなかったですし、後のひび割れ、塗りの作業汚れなど相当大変なのが想像できたのでやめました。(実際DIYでやった場合、どんな完成度のものができるのか想像がつきません)

もっとも、現実的なのは1枚のカバーで覆ってしまうことです。既存のカバーで使われていたボルトとボルト受けが両方流用してガッチリ留められるで、カバーと穴をしっかり作れれば完成度の高いものが作れます。

まず、カバー材ですが、この京壁(聚楽壁)に合った材料として、天然木の集成材で落ち着いたものがあり木目が美しいのでいいかなと思ったのですが、問題はわずかにある反りでそれが気になって止めました。そうなると、残りの候補は反りのないMDF材が同系色で採用となりました。

多方面使われていてよく見るMDF材ですが、湿度があると分解するみたいです。30-40年経った写真入れの裏側でMDF材がボロボロに崩れるのを見ましたが、これは湿度の悪条件が関係している気がします。関係していなくとも、短期的に崩壊するものではなく強度のあるものなので心配はないと思われます、今回は湿度条件の良い室内です。

ガイド付き丸鋸でできるだけ精度よくカットし角を紙やすりで落としました。

穴に関しては、既存のカバーの内プレートの穴をそのまま転写して位置を決めました。

理想としては、ボルトの皿部分が完全に埋まって盛り上がりが無いようにするべきですが、手持ちの研磨ドリル(鉄鋼用の砥石でした)ではほとんど削れないのでほどほどで諦めました、結果盛り上がりのあるものになって完成度を下げてしまったのですが、ボルト穴の強度的に良かったかもしれないので難しいところです。ボルトをきつく締められるので壁と隙間なくガッチリ取り付けができました。

こんな感じで設置はできましたが、カットに使ったガイド付きの丸鋸の僅かな反れで水平でなく見え気になりました。今回は隣との比較(さらには離れたスイッチとの比較)も関係します。そのため、取り外して微調整で削るという作業を結構やりました。上の写真が、調整後の写真です。壁裏のボルト受けのボックスの位置ズレも関係しています。

そして、この次の作業が、このボルトをどう隠すかです。

使わずとっておいた木目シールがあったなと探して見つかり嬉しかったのですが、MDF下地とかなり違いイマイチとなりました。より近い木目シールやMDFのシールを探したのですが、最適というものはありませんでした。

MDF材を薄くスライスする、溶かして薄いものを自分で作るとかは現実的ではないみたいです。封筒を検討したところ、色合いが黄色っぽいので合いませんでした。

最後に、紙袋を検討したのですが、これが正解で、MDFと茶色紙袋の色合いはかなり近いみたいです。シールではないので事務用の液状のりを使い圧迫してしばらく待てば良い感じに密着ができました。

2ヶ月ほど経った写真ですが、色が馴染んできてさらに違和感が無くなっていると思います。わずかであっても時間の経過で、馴染んでくるのは間違いありません。

京壁(聚楽壁)の穴補修には、MDF材と茶色紙袋の組み合わせは有力な候補になると思います。