スピーカー SP-FS1 オイルフィニッシュなど

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SP-FS1



多少の傷が目立つSP-FS1を手に入れたので、一番の特徴の無垢板の木目を活かすべくニスを落として研磨してアマニ油のオイルフィニッシュ塗装で見た目を良くし、スピーカーユニット交換、グリルカバー交換をやったので書き残す。結果として、やってよかったが「DIYの道具と経験があり、時間のかけられる人」向け。

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SP-FS1

・手順 解体(パーツはずし)→ニス落とし→(サランネットの軸の穴埋め)→電動サンダでヤスリ掛け#40-#400→アマニ油塗装→冬の室内で一日干し→部品取り付けで完。手でのヤスリ掛けは大変過ぎて一切やっていない。作業に二日、最低でも乾燥一日で、3日以上は費やすことになる。アマニ油つまり普通の食用油と同じようなものなので、塗料の色で悩むことなく誰がやっても写真のような仕上がり具合になる。

電動工具等の騒音対策に、「防音イヤーマフ」は入手も容易で安物で十分なので必ず使ってください。

・ニス落とし液で、全部落とす。つまり、継ぎ目の隙間も千枚通し、歯ブラシでしっかり落とさないと、後で滲みの原因になる。

・電動サンダは絶対必要。紙やすりは布タイプが耐久性がありサンダ用途では他は無理。

・粗削りで、ニス残りによる赤みは完璧に落としておくべき、削りすぎより削り残しの傾向になった。

・ビクターのロゴは、回転させると浮き上がって取り外せるので再利用できる。サランネットの受け突起は、抜き取っての再利用には向いていないので残してサランネットを使うか、抜き取って5mmの棒で穴を埋めるかの二通りがある。今回は後者、どちらも一長一短。抜き取りは板を傷めたのでグラインダーで慎重に頭を削り落とす方法にした。ターミナルは内部で表面に軽く接着されているので、ハンマー2本で外に叩き出した。

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サランネットの受け突起は、これ。この状態で抜き取れたということは穴周りに深いめくれダメージを与えてしまっているはず。木工ボンドで圧迫して補修した。

・グリルカバーとスピーカーユニットは、失敗の無い様ネットで調べて先人の真似ました。スピーカーユニットは、fostex M800、ポン付け(ネジ穴が同じ位置、スピーカー穴と干渉しない、ターミナルとの接続端子がそのまま使える)できる候補は、M800(ペア3000円)かその進化版のOMF800P(ペア6000円)がある。グリルカバーはオウルテックのPCパーツの網だが、予想以上に良かった。ラジオペンチで力業の穴位置調整が必要であっても、ガッチリ保護できてユニット枠と同色で違和感がなくスピーカーコーンも観賞できる優れもので、舐めててごめんなさい、安い(2つで500円位)のに完成度高すぎです。

・sp-fs1標準のスピーカーユニットとfostex M800を比較した個人的な感想(デスクトップニアリスニング、中華アンプ環境)。標準のスピーカーは、中高音が前面に出てくる感じで、優しい感じの女性ボーカル、ピアノやギターの演奏がとても好印象。悪い点は、小型ゆえに当然低音が弱い、FPSの銃撃などの衝撃音が低音が控えめで中高音が先行してくるので耳障りな音になったりと低音を必要とする用途に向いていない。fostex M800は、高中低がバランスよく今時の万能スピーカーの傾向があり上記のFPSのようなことは無くなるが、同時に中高音が前面にというような印象はない、材質がアルミで金属コーンの特徴といわれる無機質で疲れやすいというのはありうるなと、音が硬く耳が疲れる傾向が感じられて、自分には金属コーン向いてないかもという印象。FPS用途なら、2wayのDENON SC-M41のほうが圧倒的に低音と臨場感が得られる、8cmフルレンジにコンパクトな箱の活かし方として低音方向の改善は困難だと思う。10cmの兄貴分SP-FS10は意外にも、エンクロージャーは全く同じサイズなのだが万能を求めるならそちらが適している。

魅力として、フルレンジ、この形状と小ささ、ソロ音楽に適正、無垢板などもっと評価されて人気でないかなと思うスピーカー。この世代以降のビクターフルレンジは、奥行きが25cm以上に伸びてしまって2wayスピーカーの上に載せることができない、または壁に寄せても前がですぎるというデスクトップ環境での使用に致命的な不都合があって候補とならない。2wayブックシェルフの上に置けて耳と同じ高さの最適視聴位置に置けるのは本当にSP-FS1の良い点。載せる場合で、かんすぴなら、横置きで不格好にしなければいけなくなるので現実的でない。よく言われるが、フルレンジ8cmは女性ボーカルが映えるというのが本当に実感できて感動する。これは何なのか、実物の女性の声に、8cmフルレンジ辺りが一番違和感なく邪魔な要素を排除(低音も含まれる)して出せるため新鮮に聞こえるんじゃないかと思う(もしくは、長年ヘッドホン派だったのでフルレンジ慣れした耳に馴染みやすいのかも)、臨場感が増す2wayスピーカーで聴くと比較して違和感ばかり気になってしまいフルレンジのほうで聴きたいという感じになる(逆に、2wayのほうがボーカル以外の音、低音と高音がクリアで聴けて音が分離してしっかり聞こえるので比較して向いてないなという曲もある)。標準でこの体験ができるスピーカーを低音がうんぬんで低評価にしてしまうのは違うように思う。ユニットを交換してみたいと思う反面、結構満足してしまってしばらく標準ユニットで鳴らそうと思う。

標準となっている2wayよりも、車のオーディオ(フルレンジ)の音のほうが違和感なく安心する印象があるならフルレンジスピーカーは手に入れるべきアイテム。

今回のアマニ油のオイルフィニッシュは、研磨をしっかりすると高級家具と同じ質感で、美しい木目と、サラサラの手触りに叩くとコンコンと軽い音がしてシルバーチェリー?(ブラックチェリーではないと思う)の無垢材の魅力が活きる再生方法として記事にしました。「高級家具」「ニスの光沢が無くせた」というのが効いてます。なにより、自分でやったという達成感で長く付き合えるお気に入りのスピーカーになりました。

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標準ユニット