グラボの熱暴走回避には、フロントファン設置or吸気ダクト化が必要

3Dゲーム、動画編集をやる人向けの記事です。

AAAタイトル(世界規模で人員とお金をかけて制作された超大作ゲーム)のPCゲームをやる場合、最先端のグラボが必要になります。

グラボの性能向上とゲームの必要とする性能は青天井に伸びるので、最新のゲームについていこうとすると、定期的なグラボの買い替えは必要になります。

10万位のハイエンド、3-4万位のミドル、2万位のエントリーとクラスはありますが同様です。

私の場合、エントリークラスのグラボを仕方なく更新するのですが、中古で2万円で手に入れて、古いものを0.8万円で売って実質1.2万円位の出費なので大した出費でなく、性能効果は絶大にあるので、微細化の世代交代があれば積極的に交換して良いように思います(執拗に値段にこだわっているだけでなく、消費電力が常識的なレベルなので扱いやすいというメリットもあります)。ゲーム自体、steamなどのセールで2000-5000円。新規で10000円でしょうから、環境投資てしては安いものです。現在、RX6500XT。

 

ここから本題なのですが、これは面白いぞと、ゲームに熱中できる作品に出合った場合、やり続けて長時間プレイすることになるのですが、2-3時間でエラーが起きてゲームが中断されるという不具合が起きます。

これは、ゲーム機のPS2PS4でもありましたが、原因は「熱暴走」です。

PS4の時は、本体に脚をつけて風の通りを良くする、縦置き横置きを試すなどしてました、とりあえず脚はあったほうが良いという結論だったと思います。

頻繁に繰り返すので対策を考えましたが、本体に扇風機を当てることで解決できます。実際、それで起きないので冷却不足による熱暴走というのは疑いようのないことです。

クーラーを使用しているかどうかも影響しますが、余程冷え冷えでない限り直接の解決にはなりません。クーラー部屋でも熱暴走は起きます。ちなみに、真冬だと冷却が十分で熱暴走は起きません。

そして、最近steamのセールで「アサシンクリードオデッセイ」という作品をやってみましたが、数千人規模で開発してるんだろうなという超大作です。

これも、2-3時間ごとにエラー落ちを起こすので、扇風機(サーキュレーター)を当てるのをやりました。

ここで大事なのは、弱運転でもサーキュレーターの風量は強力ですが、PC本体正面は9割がた塞がっていて正面からの風で効果あるのか不安になりますが、効果はあって全く落ちなくなりました。

追加で、少しの風でもあれば熱暴走は回避でき、少しの温度差でエラーが起きる起きないの分岐点がある様です。内部ではファンが回っていても外気をいかに取り入れるかも重要みたいです。

この扇風機を当てるという行為、ゲーム機(PS4)の場合、CPUとGPUが一体となったチップに強力な冷却システムが完全に組み合わさった構造なので、改造ができません、できるのは、スタンド(脚)をつけて熱が逃げやすくすること、縦置き横置きで有利な置き方しかなく、最終的に扇風機で安定させることになります。

PCの場合、内部のファンでどうにかならないかと考えました。

問題として、熱暴走の原因はCPUでなくGPUです。

CPUは、CPUクーラーの交換ができますし、空間としても十分あるので、強力なCPUクーラーにすれば、3000円程度で騒音も少なく冷却も十分なものが手に入るので問題ありません。

GPUは、グラフィックボード(グラボ)と一体で、グラボ標準のクーラー(ヒートシンク+ファン)を通常使わなければならず、空間もPCI拡張カードを2枚分使ってぎりぎりという状況です。

また、通常、ケースファンはCPU近くの空気を吸気して出す排気ファンでしかなく、グラボはCPU側とボードによって区切られてしまうので、グラボはグラボクーラー以外で冷却されることがありません。

通常の使用の場合、電源ファン、ケースファン、CPUファン、GPUファンがそれぞれ仕事をして冷却できるので問題は起きません。問題は、ゲームの場合、CPUとGPU両方を高負荷状態で長時間稼働させるので、ケース内が蓄熱して熱暴走を起こしてしまいます。

これを防ぐために、PC全体のエアフローが大事になります。エアフローができていないとケース内の排熱がそのまま残り再度ファンで送って冷却しようとするので冷却効率が落ちます。常に新しい空気をPC内に入れて温度の上昇を抑える必要があります。

結局のところ、グラボはめちゃくちゃ排熱があるのに場所が悪く空気の流れが悪いので何か対策をする必要があるという事です。

現実的に、フロントファンを追加設置してCPU、GPU側に新鮮な空気を送る必要があるという事です。通気の都合、他に良いエアフロー手段がありません。

熱暴走するのでより強力な冷却機構を持ったグラボに交換するより、フロントファンを追加してエアフローを作ることで解決できてしまいました。

ケース:サーマルテイク PCケース Versa H18(フロントメッシュ:通気あり)

これは、ケースを密閉せずに空気の通りを良くして使う設計思想。自然通気向き。

兄弟ケースに、サーマルテイク Versa H17(フロントクローズ:通気無し)

こちらは、ケースを密閉してエアフローを作る前提の設計思想。強制通気向き。

通気重視か遮音重視の違いです。

私の場合、フロントパネルがメッシュ(造形として美しい)で騒音対策で内部に段ボールを入れていたのですが、それを外してフロントファン(12㎝ファン、CPUクーラーの不用品4PIN)を付けてみたところ、長時間のゲームで熱暴走エラーは起きなくなりました。扇風機がいらなくなりました。段ボールで塞いでいるのが悪いみたいですが、最近のケースはフロントパネルが、メッシュの通気タイプとほとんど塞がったクローズタイプの2種類があります、クローズでも下部に通気穴が指四本ほどあるので吸気能力はあるのかと思います。

まとめますと、グラボを追加して長時間PCゲームをする場合、熱暴走を回避するために、フロントファンを設置する必要があるということです。

あと余分なことを書くと、PCケースに付属する背後ファンですが、吸気なので冷えないし、CPU側しか効果が無いので、フロントファンにしたほうが、外の空気を吸気して勢いよく排気としてCPU側GPU側に送れるのでエアフローも確保できて、騒音面以外メリットが大きいように思います。快適性では、フロントにファンの騒音(PWMで調整は可能)と遮音板が無いことで騒音面で悪化するのでPCケース2種類というのはどっちを重視するかなのかもしれません。

遮音板(段ボール)が無くなって、音が直接響くようになって、快適性が落ちた気がする。静音(快適性)と性能(機能性)の両立は、ほんと難しい。デスクトップPCの永遠の課題だと思う。クローゼットデスクトップであっても気になる。

静かなPCというのは、通常使用時、音が静かであって、ゲーム時は、かなりの騒音が避けられず、ヘッドホンを使用しています。

完成度が低いので再考すると、グラボの吸気に常にPC外気を取り込むようにしてダクトを設置すれば良い?排気と吸気の分離で効果があればそれが一番です。

グラボカバーがフラットなので、正面は牛乳紙パックをカットして貼り、側面は配線があるのでアルミ箔を丸めたもので埋めました(特に問題はないと思うけどMBに接触しないよう少し隙間あり)。バックプレートはグリルを外して外からの吸気がしやすいようにしました。とりあえず9割以上外から吸気ができると思います。吸気口の上に排気口があるのですが加工が邪魔になるので何もしません。

熱暴走が起きるか試します。

稼働中の様子を見ると、PC本体がよく出火しないなと思えるほど熱を持って、ドライヤー状態になっています。吸気は外気でも、排気は内部で放出、CPUでも高負荷状態なので内部の発熱はすさまじいものがあります。CPUがryzen3700Xで65W、グラボが6500XTで107W。ゲームのためフル稼働状態で、170W程度の排熱ですが、自分が普段知っているPCではない発熱状態です。6500XTの上のグレードは130-250wがあり、より深刻な排熱と冷却機構の大型化による騒音があるので静音との両立を考える余裕は全くないと思われます。

フロントファン、強制吸気、エアフロー無しでどのレベルのグラボまで対応できるのか上の方はよくわかりません。



グラボの吸気面を、ダクト化して外気吸気にすることによって、内部排気の循環が防げて冷却不足が解決できます(熱暴走が起きない)。同時に、排気ではありますが強制吸気ができます。これにより、ケース内の強制吸気と強制排気ができているという事になります。

CPUクーラーは、トップフロー(上からヒートシンクを冷却)とサイドフロー(横からヒートシンクを冷却)と2種類あるのですが、サイドフローだとケースファンの排気方向が重なって、ケース内の排熱とCPUの排熱が効率よく外に送れるので有利です。トップフローはマザーボード全体に風が当てられるので冷却効果がありそうですが排熱の循環が起きてしまっているので好ましくありません(ゲーム使用時はPC内部は熱風状態です)。温まった排気を当てるより、ケース内の温度を低くする方が冷却効果が高いです。

CPUファンも、吸気を外気ダクト化できればいいのですが加工が大変です。大型で冷却能力に余裕があるので、サイドフローで排気をケース外に出す役割だけで十分です。

トップフローよりサイドフローのほうが、ファン数を最低限にしたい場合、有利という事です。

排熱の再利用というのが原因で、熱暴走が起きます。グラボは吸気をダクトによって外気のみにする。CPUは、サイドフローで排気をケース外に出す。これにより、それぞれのファンで吸気排気のどちらかで再使用の循環を断つことができます。

排熱の再使用は、全く良い事がないので、一番簡単な方法はケースをオープンにすると熱がこもらず楽ができますが、騒音が酷くなります。ケース使用すると密閉化されて熱がこもります、その解決にフロントファンの設置がありますが、ファンを増やすと騒音が増えます。既存のCPUファン、グラボファンに循環ファンとしての役割も兼ねさせるとフロントファンは無くても済みます。(あったほうが良いのは間違いないですが)

最低限の部品数で、(通常使用で)静かなデスクトップを目指す場合、グラボの外気吸気化、サイドフロー型CPUクーラーは、役立つ知識です。

グラボは吸気を外気タクト加工すると(排気の循環が起きず)熱暴走が起きない。

エアフローを考えると、サイドフローCPUクーラーのほうが有利。

ケースは、フロントメッシュよりクローズのほうが静穏性が高い。

フロントファンの撤去をやり。段ボールの貼り戻しをやり。画像の通り、ダクトの同色化、セロテープからネオジム磁石での固定、アルミ箔ブロックの再調整をしました。兄弟ケースは両方持っており、そちらでサイドフローのCPUクーラー虎徹マークⅡがあったので、トップフローの超天と交換しようと思いましたが、ヒートシンクの固定法が異なっておりマザーボードの取り外しが必要だったので諦めました。トップフローだとエアフローの流れが乱れてしまうのが残念なところです、サイドフローだとケースファンと方向性が重なって勢いのあるエアフローができて内部が負圧になるので引っ張られてグラボの吸気排気をより増す効果があります、エアフローのその点を考えると水色の自然吸気部分とケースの吸気漏れ排気漏れする部分は全部塞いでしまったほうがいいです。グラボの吸気口から入ってCPUファンで排出されるだけのエアフローができるのが理想です。そこまでやる必要が無いのでやりません。

兄弟ケースなので、フロントパネルの形状の違い、メッシュはクリア蓋(交換可だと思う)という違いしかないので、フロントパネルを交換しようと思いましたが配線が面倒そうなので諦めました。設置場所と電源ボタンの配置からこちらもこのままです。

貼り戻しの段ボールですが、やはり遮音効果がはっきりわかるレベルで違います。静かなデスクトップにはフロントクローズのほうが向いています。

10時間クラスの長期負荷テストをフロントオープン・フロントファン環境、ダクト環境(フロント段ボール密閉済)の両方で試しました。長時間の稼働で熱暴走することなく安定するのを確認しました。

このシングルファンのグラフィックボードに関して、(一つの例として)最初からファンのある面に、外気吸引用のダクトアタッチメント(プラ製のカバー、外気吸引側だけ穴のあるもの)があれば、ケース内での排熱再循環が起きず、ケースの環境に関係なく安定動作が実現できているはずなので、改良の余地があるように思います。

ダクト改造によって、冷却性能に余裕ができOCもこなせるのではないかと思ったのですが、FF15ベンチ高画質を公式アプリのGPUOCでしたところ、途中でブラックアウト。電源が落ちました。OCから標準に戻しても途中でブラックアウトしたので、安定はしても負荷を上げて対応できるほどの余裕はないようです。オデッセイではOC環境で全く動作に問題は起きません。FF15ベンチの問題のようです。6500TXはかなり中途半端な性能なので、OCで印象が変わるのを期待しましたが、その期待に応えるような性能向上は無さそうです。