キャブ式の小型エンジンにはチョークというものがあります。
キャブ式の小型エンジンは、(家の)500ccから300ccの農用歩行型耕運機、刈払機、チェーンソーなどで見かけます。
最新の自動車だと、始動ボタン一発で点き、調整するような部分は自動化され使用者が気にする必要はありません。
安価、簡素、軽量、小型、バッテリーレスであることが求められると、自動化されず手動で調整というのが必要になるのは理解できます。
「チョーク」の役割は、燃料と空気の混合比を変えて、燃料の濃い状態にしてエンジンをかかりやすくするという役割だそうです。
漠然と、燃料を濃くして、かかりづらい低温時(15℃以下)で使用するものとして覚えられます。通常はさわらなくて良いんだなという感じです。
問題は表示の仕方です。
以前は、チョークの操作を、使用時「引く」と表現していました。
写真の通り、ツマミを1cmほど引いてチョークを使用。戻してチョーク解除です。
これは、直感的に、引いて使用、戻して解除というのがわかります。
最近の耕運機、刈払機はつまみレバーを左右(もしくは上下)に動かす「開」「閉」という表示になっています。
「チョークが開」「チョークが閉」という表現で、チョーク使用・不使用を判別できません。
ちなみに正解は、「チョーク開」がチョーク不使用。通常時。
「チョーク閉」がチョーク使用。です。意味がわからず覚えられません。
調べると、チョークの構造は複数あり、一つとしてチョーク弁式というものがあり、とりあえず空気を取り込む穴の開閉を意味しているとのことです。
こう調べるとはっきりわかりますが、通常、ここまで調べて理解している人がどれだけいるのか、かなりあいまいに使っている人がほとんどだと思います。
これまでの使用の状況を思い返すと、チョーク不使用で始動をこころみて、駄目ならチョーク使用、始動できれば戻すという特に混乱もなく使えていた気がします。
ただ、今回、(他にやることがあり)可能な限り耕運機には触らない生活をしていて、2台あり、使用頻度が殆ど無いタイヤ付きの耕運機を触ったところ、始動に少しもたつき、チョークなし(開)でしか始動せず(温度25℃環境:始動を補助するはずのチョークを使うとかからない)、エンジンの吹き上がりが鈍く、(閉)が本来なんだろうとチョークをいじるとエンジンが止まるという状況でした。
「チョーク 止まる」をネットで調べると、チョークを引く戻すという話が殆どで、チョークを開く閉じるという表現が少なく混在してわかりにくく、さらにまずいのはチョークを引くことをチョークを開くと書いている場合があって、「開閉」というワードを入れて検索しても誤認する可能性が高いです、これまであった低頻度の使用によるキャブの不調が起きていると思い込んでなんとなく読んでしまうと正解にたどり着けません。
「開と閉」を逆に思い込んでから、もう片方の耕運機を見たところ「逆じゃないかと」異常に気がついて、説明書を読んだところ勘違いに気が付きました。(他、要因としては、タイヤ付きの耕運機はタイヤと爪で力が分散するのでエンジンを弱く感じてしまうとかあると思っています)
スマホのある時代、スマホで検索か説明書のどちらを見るべきかは保留にして、まず、基本的には使わない「閉」と基本的に使う「開」が左右で同等表示、説明の文字・イラストも判別材料にならないというチョークの開閉表示は、改善の余地があるように思います。
もちろん、今回ヤンマーの開発チームが、考え抜いた上で、この表示しか無いという結論の上での製品化(標準的な表示方法、もしかするとこうしなければいけない理由があるかもしれない)のはずですが、この問題を解決したよりスマートな表示伝達方法が必要とされていますし有ると思われますので、今後の課題として取り組んで解決していただきたいと思います。
あと、トラブルとして、安全上の理由で頼りないピンを使っているのか、爪部分の軸とピンが抜けた(軸が割れた)というのが(相当年数使用後)割と多いので、広範的な改善をよろしくお願いします(山間部の石が多い使用環境で)。
という、改善提案をヤンマーお問い合わせに送ってしまったのですが、新品購入をしてから結構な年数が経っており、調べるとモデルチェンジして最新のチョーク表示は「始動時」「運転中」という表示になって解決されていました(なんとなく見たことが有る気がします)。チョークを使うとかからないという問題はより大きいMRT650でたぶん排気量500ccで(個体不具合かもしれない)気になったのですが表示は統一されていました。製品の紹介動画で、始動時にチョーク操作は省いているので、「始動時」という表示は「エンジンが冷えている場合」という条件がつくようです。(P.14 チョークレバー説明 検索「yk650mr 取扱説明書」 )
最新モデルは、自動車と同じセル起動式が追加(これだとバッテリー切れの問題がでてくるので使用頻度の少ない一般向けではない)されたり、いろいろ進歩があります。
(旧モデルの話)タイヤ付きのモデルは、爪を組み替えることでU字V字本格畝立て、耕うんといろいろできるのですが、ピンを外して爪を組み替えるのが容易とは言えず、畝立て専用という感じの固定された使い方に落ち着くんじゃないかと思います、都度ピンを抜いて付け替えてという使い方を実践されて、万能に使っている人はあまりいないと思います。
もっぱら、深く耕うんできるタイヤなしモデルが重宝されることになります。(小規模ではそうなると思う個人の感想)
とりあえずは解決して(チョークを不要に使ってしまう誤認は起きますが一応)これまでの混乱がないようになっているようです。